飼育の豆知識



このページでは、私の今までの飼育経験上で気付いたことや感じたことを元に書いています。
必ずしもこれが正解と言うわけではないと思います。
中には、「それはおかしい」とか「それは違うよ」という意見もあるかと思いますので、あくまでも参考程度に読んでいただけたらと思います。
また、「こうした方がいい」とか「こうじゃないか」という意見があればどんどんBBSに書き込んでください。飼育レベルアップのためにもよろしくお願いします。




幼虫のオスとメスを見分けるには?


幼虫のうちにオスとメスを見分けることで、効率よく飼育を行うことができる。
幼虫は、2令末期になるとだいたい見分けがつくようなってくるけど、小さくて見にくかったりするから、判別は3令になってからでいいと思うよ。

まず、丸まっている幼虫を手で伸ばそう。
それで、お腹側のお尻のほうを注目。
幼虫は、ボンレスハムとかダウンジャケットみたいに段々になってるよね。その段々のお尻から3番目を見てみよう。
オスには、ちょうど真ん中の少し下辺りに小さいくぼみがあるよ。
そのくぼみがあるかないかで判別をするんだ。
個体によってとてもわかりにくいこともあるけど、この方法が一番確実だと思うよ。



これはオス
画像の矢印のところに、小さい茶色いのが写ってるのがわかるかな?
これがオスの特徴。少しくぼみになってるよ。3令初期では茶色くなっていないこともある。



これがメス
上の画像とくらべてみて、矢印のところになにもないのがわかるかな?


3令も中期ぐらいになってくると、オスとメスではあきらかに大きさが違ってくる。
頭の大きさも、オスがあきらかにでかいからすぐわかるよ。
2令後期や3令初期に判別すると、たまに見間違えることがある。
あるのにないようにみえたり、ないのにあるようにみえたり。個体によって、わかりにくいやつがいるからね。








オスとメスの羽化時期をあわすには?


ヘラクレスが羽化するまでの期間は、メスで1年〜1年半、オスだと1年半から2年。するとどうしてもオスとメスの羽化時期がずれてきてしまう。沢山いれば中にはタイミングが合う個体もいるけど、基本的にはずれる確立の方が高い。特にオスが大型の場合は、ずれ幅大きくなる傾向にある。
当然、羽化時期がずれると繁殖ができなくなってしまう。
それでは困るので、なんとか羽化時期をあわして次世代につなげたいところ。

そこで
まず、一番手っ取り早い方法。
オスとメスを大き目のケースで一緒に飼育してしまう。
これは、早く蛹になるであろうメスが、蛹化の準備を始める。そうすると近くにいるオスもそれを感じ取り、あわてて蛹化を始めるというもの。
絶対にうまくいくわけではないけど、別々に飼育するよりもかなり期待はもてるよ。
ただし、この方法はオスを無理やり蛹化させるわけだから、残念ながらサイズはあまり望めない。が、普通に飼育していれば極端に小さくなることはないよ。

もう1つ
オス幼虫とメス幼虫の飼育温度を変えてやる。
かぶと虫の成長過程の1つに、積算温度というものがある。
積算温度って?
例えば、
一日中温度が25度のマットにいたとすると、10日たてば250度。
これが積み重ねって一定のラインに達すると、例えば2500度になったら3令になりましょうとか、10000度になったら蛹になりましょうとかってことになるわけ。
もちろんこんな単純なものではない。それに積算温度だけではなく他にも要因はあるだろうし、個体によっても差はあるみたいだし。
でも実際にメスを20度、オスを28度ってな具合に、極端に温度差をつけて飼育してみると、幼虫期間がメスは長く、オスは短くなってくるから、あら不思議。
だからといって実際にこんなことできるかというと、1つの部屋ではまず無理だよね。
そこで、メスを部屋の下の方、オスを上の方に置いて、部屋の温度差を利用してみるというのも1つの方法。
なにもしないよりは絶対に効果はあるよ。

国産かぶと虫なんかだと、日当たりの良いいつもポカポカしてる所は早く羽化して、日当たりの悪い寒い所は遅く羽化してくる、ということが実際にある。これを利用して、国産カブトの養殖では、ビニールをかけて暖かくしたり、寒冷遮をかけて涼しくしたりして、温度調節をし、羽化時期をずらして販売するということを実際に行っているよ。

うちでは以前に、エアコンの噴出し口近くにあったケースが、温風の影響で必要以上(もちろん死なない程度)に温まってオスのリッキーが1年足らずで羽化したことがあったよ。
サイズは当然小さかったけど。それでも135mm以上はあったからそこそこにはなるみたい。







3令後期から蛹まで体重減を抑えるには?


3令幼虫も末期になってくると黄色く色づき、体重増加が止まってくる。そうするといよいよ蛹化の準備に入るわけだけど、このときにいかに体重減を抑えて蛹化させるかが大型成虫へのカギ。

それには
とにかく幼虫には無駄な動きをさせない。
動くと当然エネルギーを消費するので体重は減るよね。

じゃあ無駄な動きをさせないためには
極端なマット交換はしない。
マット交換をすると、新しいマット内を居心地のいい場所をもとめて動き回ることが多い。
マットは、減った分だけ足すようにする。
幼虫は、マットが減ったままで蛹化の準備を始めると、オスなんかは特に大きい蛹室を作るためマットを蛹室作成予定地に集めだす。ほんとうまく寄せ集めるよ。でも実はこの動きがかなり余計。マットが十分あればその場で作れるわけだから、蛹室を作るためのエネルギーだけでいい。だから体重減を抑えられるというわけ。
体重増がとまったらマットは減った分だけたして、ケースに常に満タン状態にしておくようにしよう。
ただし、マットがドロドロになっていたりして劣化が激しいときには、迷わず交換するようにしよう。劣化したマットは蛹化不全や羽化不全のもとになるからね。

ちょっとわかりにくいけど、画像の手前の方から奥の方へマットを寄せてある。


実は幼虫は、結構居食いをしていることが多い。
居食いていうのは、あまりマット内を移動せずに自分の周りを食べ、なくなったら少し移動してまた食べる。これを繰り返してどんどんでかくなっていくわけ。要はあまり動きまわらずグータラしてるのだ。
ごそごそ動き回る落ち着きのないやつは、エネルギーを消費しまくって大きくならない。
ということは、居食いをさせる状態をつくることも大事だよね。居食いをするってことは、そこが安心できて居心地がいいからからずっといるわけ。だからやたらとケースを動かしたり幼虫をほじくり出したりすると、幼虫はストレスを感じて落ち着いてご飯を食べられなくなる。そうすると居心地のいい所を探そうと、ごそごそ動き回るからエネルギーを消費して痩せていくよね。だから幼虫は、とにかく
必要以上に触らない、ケースも動かさない実はこれが一番大事で一番難しいことなんだ。だって日に日にでかくなっていく幼虫を見たいもんね。でもできるだけ我慢してそっとしておいてあげよう。






幼虫がマットに潜らない!!


マット交換をしたあと、しばらくしてケースを見ると、幼虫がマットに潜らず蓋のすぐ下にいることがある。
特に同じ時期にマット交換をしたケースが、みんなそうなっていたら要注意。
マットにガスが発生していて、酸欠をおこしているぞ。
マットが再発酵して、熱が発生している場合もある。
こういう場合は、あわてずケースの蓋を開けっ放しにして、酸欠を解消しよう。発熱している場合も、蓋をしばらく開けておけばおさまることが多いが、おさまらない場合はマットを一度ひろげて、ガス抜きをしなおしてから詰めなおすしかない。
マットを交換した後は、必ず2・3日はケースをのぞいてちゃんと幼虫がもぐっているか確認しよう。ケースの底にも手をあてて、発熱していないかも確認しよう。
特にケースを積み重ねている場合、一番上とか一番下よりも、間にはさまっているやつが要注意。逆に言えば、間のやつが大丈夫なら、大抵は大丈夫ということになるよ。
これをほっておくと、気付いたころにはマットの上で真っ黒になって死んでしまってるってことになるぞ。
幼虫も3令になると、普通に飼育してればそうそう死ぬことはない。でも、マットの交換時にこういったミスで大量死なんてことがあるから十分に気をつけよう。

ケースの蓋をあけて画像のように重ねれば、スペースが少なくてすむ。
この状態で1週間ぐらい様子をみよう。
その後、蓋をしめて積み重ね、幼虫が安定していれば大丈夫。







小バエが!!!


かぶと虫を飼育していると必ずでてくるのが小バエ軍団。
小バエ軍団には、大きくわけて2種類いる。
マットに大量発生するキノコバエ。
成虫のエサのゼリーやバナナなんかに大量発生する、ショウジョウバエ。
家で飼育していてもっとも嫌がられる原因NO.1!

こいつらをなんとか退治しなくては

まず退治しやすいのは、マットから発生する小さくて黒いキノコバエ。






←こいつ
大きさは2ミリぐらいかな


なんとこいつらには、
蚊取り用のアースノーマッがきくのだ。60日60日1本ポンってやつ。今は90日や120日まであるか。
実はこれ、かぶと虫やくわがた虫には無害で、蚊やキノコバエにだけきく優れもの。かぶと虫ブリーダー御用達商品なのだ。
これに
電撃殺虫器(青い光でバチバチてやつ)を併用すれば尚良い。家庭用の小さいのがホームセンターで安く売っているよ。

次はショウジョウバエ。





← こいつ
キノコバエよりちょっとでかくてまるい


みたことあると思うけど、生ゴミなんかにいつの間にか発生してくる小さいハエ。
実はこいつが手強い。
アースノーマットはきかない。電撃殺虫器にもつかまらない。
こいつにきくのは、
コバエキャッチャーという商品。
ビンにお酒なんかを入れておびき寄せ、中に入ったら出られないというもの。
うちでは黒蜜梅酒入れて使ってるけど、おそろしいほどとれる。
でもまだまだとんでる。おそろしいほどの繁殖力。
あとはハエ取り紙ぐらいしかきかない困ったやつなのだ。
でもゼリーとかバナナとかのエサがなくなると、不思議といなくなる。いずこへ?




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